西洋医学と東洋医学の違いと特徴

ひと昔前は西洋医学が医療の中心でしたが、現在では東洋医学の実用性が見直され、医療の現場で用いられるようになっています。東洋医学と西洋医学はそれぞれに異なった特徴があり、お互いに補い合う関係です。

西洋医学とは、大きくはギリシャ医学とアラビア医学を指します。病名を確定し、その病気を局所的に治療するのが基本となります。救急医療に強く、手術など身体内部にアプローチします。病名が確定できないときや治療法が見つかっていないときには治療することはできません。

一方、東洋医学は、広い意味ではアジアの各地に伝わる多様な伝統医学のことを指しますが、西洋医学と対比する際の東洋医学は、中国伝統医学のことを指すことがほとんどです。

患部だけではなく全身の状態を総合的にみて、患者さんの訴えに耳を傾けます。そして各個人の体質を見極め、その体質や体調にあった養生や生活を提案します。病気の治療ばかりではなく、養生思想の内容が豊かであり、病気の予防や健康増進にも活用できることが大きな特徴です。

例えば初期のがんや心臓病などの病気など、一刻を争う救急の症状がある場合は、西洋医学に基づいた治療の方が有効です。一方で東洋医学は、病名のないような体質的なもの、例えば疲れやすさや風邪をひきやすいなどといった症状について、なんらかの治療法を導き出すことが可能です。東洋医学は全身の体質を根本から治すアプローチをするため、健康回復や体質改善を目指した治療が可能です。

西洋医療と東洋医療、どちらが優れているではなく、互いに長所と短所があります。どちらの思想も取り入れ幅広い視点を持つことが、より強い医療システムの発展に繋がるでしょう。